視(み)るも無慙(むざん)な 地獄絵の (轟 動 動 轟)
左手(ゆんで)の端(はし)は 末(すえ)の愛子(まなご) (轟 動 動 轟)
此所(ここ)は勝母(しょうぼ)の里に附(つ)き(轟 動 動 轟)
余所(よそ)へどうぞと 拝み倒し (轟 動 動 轟)
秋雨(あきさめ)は 山車(だし)に 子良(こら)が 踏(ふ)みしゃがれ
未(ま)だ 幽(かす)かに在(あ)る 息の根を止める 弐(に)の矢
♪
(轟 動 動 轟) 回(み)るは車輪と 地獄への
(轟 動 動 轟) 牛頭馬頭(ごずめず)どもの 駈(か)る荷車
(轟 動 動 轟) 何其(なんぞ)れ彼其(かぞ)れ 叫(わめ)くとて
(轟 動 動 轟) 車は急(せ)いて 止まりゃしない
嗚呼 刻む轍(わだち)に 空も知らぬ雨
唯(ただ) 過ぎ行く影 ねまる 想いは 聳(そばだ)ち
嬲(なぶ)る霊(ひ)の片(ひら) 媒(なかだち)
嘖(さいむ)む 我が慕情(ぼじょう)に 幕下ろす
さあ 廻り行け
♪
脚を取られりゃ 韋駄天(いだてん) 立ち往生
腕をもがれりゃ 弁天(べんてん) 弾かれぬ琵琶(びわ)
(下衆 駕す 貘) 廻(もとおし)まで
(下衆 駕す 貘) 催(もよお)し 危(あや)める
玉を取られりゃ 仰天 後(あと)の祭
尻を蹴られりゃ 月天 番(つがい)の雛(ひな)
(下衆 駕す 貘) 廻(もとおし)まで
(下衆 駕す 貘) 催(みよお)し
(下衆 駕す 貘) 旧(もと)の島で
(下衆 駕す 貘) 催(もよお)し 殺(あや)める
♪
嗚呼 刻む轍(わだち)に 空も知らぬ雨
唯(ただ) 過ぎ行く影 ねまる想いは 聳(そばだ)ち
嬲(なぶ)る豕(い)の血が 媒(なかだち)
嘖(さいむ)む 輪が五条に 撒(ま)く俄羅斯(おろす)
さあ 廻り行け
常(とお)に 刻む轍(わだち)
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