微温(ぬる)い丈(だけ)の 疵(きず)に 泥(こいじ)を
塗り籠(こ)み
逝(ゆ)き損(そこ)ねし 斎(いみ)を ■(まぶた)に 重(かさ)ぬ
無数(むすう)に 散らばる 摘み取りし 腫物(しゅもつ)に
憫(あわ)れびは 無く 只 そと 羨(とも)しびて
為合(しあ)うとても せざる 受け太刀(だち) 風(ふり) すら
構えの侭 絶える 音も 無く
屠(ほふ)る毎(ごと)に 手馴(たな)る 血振(ちぶる)い
否(いや)む 故(から) 其の 手を 下(お)ろして
振りかぶれば 落ちる 私は 神鳴(かみなり)
生きあぐねし 道が 亦(また) 血で 烟(けぶ)る
末魔(まつま)の 的(ゆくは)は 瞑(ひし)ぐとも 逸らさぬ
突けば 竭(つ)く迄 只 其の 灯火(ともしび)と
為合(しあ)うとても せざる 受け太刀(だち) 風(ふり) すら
構えの侭 絶える 音も 無く
屠(ほぐ)る毎(ごと)に 手馴(たな)る 血振(ちぶる)い
否(いや)む 故(から)
其の 手を 下(お)ろして
此の 身空(みそら)が 打たれたい
尽きせぬ 修羅にて 独り笑む なれど
為敢(しあ)うとても 畢(おわ)ること無き 不離(ふり) 修羅(すら)
名乗る迄も 無いとしても 抑(そも) 名前は無い
動けば 無益な 毀傷(きしょう)が 痛い 故(から)
其の 儘 討たれて 棹立(さおだ)ち
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