20年間の負債を タンクローリーが踏み潰していくのがいい それは明るくて切ない やっとの思いで乗り込んだ列車が みすみす闇に取り憑かれて 君の顔が険しくなる 窓いっぱいに張りついた父の虚しさに 眼を奪われた人々が 一つの夕日に焼き切られるよ 赤いライトを追いかけてはいけないよ 今君の願いがわかっても それを叶えてやれないよ 禿げてしまった畠の向こう 古い木の影 人魚と目が合う その人魚はひざまづいて 大学生の世話をしている 熱を帯びたパソコンのように 強い風に想いを乗せて この20年は忙しい 休みなく酒を飲む人達は 娘の写真を誇らしく握る 順番を待つ列車が海水に阻まれて 足元に割れた貝殻をみつけた 空いっぱいに張り付いた君の虚しさが 夜な夜な指を走らせていることを知るけど 赤いライトを追いかけてはいけないよ 今君が見つめているのは それは僕ではないんだよ 負けてしまった僕は行こう 古いビルの5階 人魚と待ち合わせ その人魚は寝転がって 好きな男の話をしている 続く線路の上では 熱いキスに想いを乗せて ねえ葵あとどれくらい お前のそばにいられる ねえ葵虚しいほどに こんなにも美しかったんだな スタジアムの熱狂が今私の胸に 君も何かに気づく涙がほら 背伸びして捕まえた葵い羽の尾鰭に おいらも乗せて想いを乗せて I love you I need you 僕らにはまだ早すぎただけなのに I love you I need you この気持ちはまだそっとしまっておきたい