絡まった電線が解けなくて
屋上に夜明けの晩のチャイムが響く
還り道、ヂリリと左の方で
ベルの音が聞いて欲しそうに鳴った
小さな窓があり
真っ赤な屋根の
電話ボックスが手を招き
出鱈目な抑揚で
声をかけてきたのです
ぬめりとした呻き
穏やかな不協和音
ガチャリと折れる腕
箱の中の鵺の鳴く声に
耳を澄ましてはいけません
枝のない電子が流し込まれて
侵された合目的的ヘモフォビア
手回しの自我意識が腐り落ち
底無しの静寂に骨身を浸す
三つなる兆候に
気づかないまま
光ソリトンの赤い灯が
でまかせの衝動を
仄めかしてきたのです
不明瞭な愁い
歯と歯が重なった音
ガチャリと閉まる喉
三寸五分の煙突の方
目を合わせてはいけません
♪
小さな窓があり
真っ赤な屋根の
電話ボックスが手を招き
出鱈目な抑揚で
声をかけてきたのです
ぬめりとした呻き
穏やかな不協和音
ガチャリと折れる腕
箱の中の鵺の鳴く声に
不明瞭な愁い
歯と歯が重なった音
ガチャリと閉まる喉
三寸五分の煙突の方
二度と聞こえはしないのです
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