顔半分眼球の役人が云う「あんたの存在を証明しろ」と
十八番の皮肉を吐けば、いたくお気に召し、豚小屋で一晩泊めてくれたのさ
あいつは気儘なキリギリス、毎晩この場所で歌っていたが
転がった昼食を追いかけたまま、あいつは二度と此処へ戻らなかった
ぐるぐる回転木馬が廻っている
酔っ払いや、くたびれたあいつを乗せて
それに向かい笑顔で手を振っている自分は赤の他人みたいで、なんとなく寂しい
♪
あの娘は花のようなお姫さま、でも拾われた娘だって町中の噂
それを僕に打ち明けてくれた夜、知らなかったふりをしたら絶交されちゃった
ぐるぐる回転木馬が廻っている
ロクデナシや傷付いたあの娘を乗せて
今更もうその行列に並べない僕は老いて枯れたようで、たまらなく侘しい
♪
最後に傑作のジョークをひとつ
人生に行き詰まったある男が、精神科に救済を求めて云う
「何をしても笑えやしないのです」
♪
「忙しない暮らしに疲れたんだね 評判の道化師を観に行くといい」
先生、お気遣いありがとう
でも、その道化師の正体は僕なんです
ぐるぐる回転木馬が廻っている
偏見や不条理や忍耐を乗せて
絵空事みたいに歌える自分は何だろう
そのチケットを捨てる度胸もないくせに
嗚呼、回転木馬が廻っている
ありがとうもさよならも届かない場所で
衣食住性眠喜怒哀楽のキラキラが「ここにいるよ」の合図みたいに見えた
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