充分寝たもうサイレンが
空っぽな五時を迎えに来た
僕を溶かしたバター
塗りたくったこの部屋
戦争映画鳴らす隣人
目眩を打った銃声
煮える残暑の刹那
世界の終わりみたいな 赤
寂しくなったらきっと
それすらはしたない
あなたを待ってもずっと
遠い日の花火なのでしょう
♪
染まり続ける翠の扇動に
疲れ果ててもまだ貴方の横顔は美しい
この想いはまるで
散らずに枯れた紫陽花のようだ
終わりを待つ約束だけが僕を歩かせる
次の季節へ
♪
戦争映画は鳴き止んでいた
塩素の匂いは
空白を塗りつぶしてくれた
秒針の怒鳴り声もさ いつからか
愛おしく思えていた
戦争映画は鳴き止んでいた
静寂の中
浮かぶ船の帆は靡みかない
思い出にすらなれない夏は
永遠になった
♪
誄歌ようなヒグラシの声に眠る
寂しくなったらきっと
それすらはしたない
あなたを待ってもずっと
遠い日の花火なのでしょう
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