狭間に埋められた夜明け 不鮮明に揺れている
あれは敗宝だ いや残骸だ
墓地のようにも見えるし 揺りかごにもみえる
それは煙霧の奥で 燈かっている
鬱々たる闇 犇めき啼いている
荒れ狂う 唄が聞こえるかい
縺れた肋骨を掴み 狂騒の夜をゆく
焔は細く伸び 天を這いまわる
また 数多に脈打ち 溢れ落ちる
【声】
「何処から来たのかい」
「あの渓を越えてさ」
一緒においでと 上から聞こえる
子供は産めぬと 下から聞こえる
風は止み 星は失せ 月は曇 影を成す
霊的な唄を囁けば 無数の焔は空に降る
遅れて来た 弱々しい 赤い片割れの月
しかし 闇はまだ晴れず
ゆらゆらと浮かぶ 燈籠を追う
白昼夢と 森の中 右往左往と迷い道
導きは 川の音か 楽園の謳か
今宵 昇れぬ者共は 未来永劫嘆くだろう
情欲の宴へと 皆 群がり集う
「さあ。 私を、連れっていてくれ――」
幽かな 囚われの姫は 蒼く 蒼く 一人きり
嗚呼 優しく微笑む 貴女によく似た まやかし
【宴】
「蝿の嘴に蚊の鼻先――奏でよ」
「蜘蛛の脚に蝦蟇腹、これは即ち空想である」
「仮装舞踏の戯れ――それは幻覚の類」
「爪も尻尾もないが、 しかし妖精ではない」
「悪魔は何物かであり、故に悪魔であるといえる」
「全てが我が内に在るとするのなら、そうだ 今日は、別段、狂っている」
「感じ得るもののみ認識する、故に在り得べからずものに揺らぐ」
「この焔が実在するのならば、それはやはり無駄な事でしょう」
「汚濁で生まれ、汚泥を纏い、踊り狂う」
「流星は燃え落ち、目覚めぬまま――」
一同『絶倒――』
仄かに 流れた記憶は 赤い 赤い 首飾り
嗚呼 朧に霞んだ 影絵のまぼろし
運命 狂い乱れ
やがて 二人 すれ違い
もう 戻らぬ時間と
失った 黄昏に さよならを
万象が導く楽園 霧は晴れ 黒天覗く 風 戦ぎ
痕には 何も 残らない
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