地下鉄の窓に
急に映る顔がじっとこっちを見る
そのひどく不安気な目を逸らすことも出来ず
立ち尽くしていた
耳の奥で 後ろ指さす声がこだまする
ああ 僕が僕であろうとすればするほど
厭う声は大きくなるみたいだ
「ねえ、僕はあのときどうすればよかった?」
わからない わからないまま
チクチクと時間だけがただ過ぎていく
ため息のようにドアが開く
ゆらゆらと進む地下通路
歩いても歩いても 答えなんか出ない
地上へ出ると 煩いくらいの散光が僕を責めた
深く 深く 潜ったままの
僕の声を 抱えて歩いた
太陽にあぶり出される
僕の孤独のカタチが
後ずさりするように影になった
眩しすぎる正しさで
僕へと照りつけないで
遮ったこの腕だけが僕を 庇う
♪
逃げるように駆け込んだゲームセンター
ドクン ドクン モグラを叩く音が響いていた
振り下ろされるたび僕に痛みが走るのは何故だ
叩かれては沈んでいく
どこから顔をだしても上手く避けられない
その姿はまるで僕だ
ため息に曇って見えなくなっていた場所
そこにうずくまっていたんだ
ああそうだ ずっと気づけずにいたんだ
僕へと打ちつけられた 憫笑 冷評
倒れないようにするのに精一杯で
その一つ一つが痛くて
怖いのに流せなかった涙のことを
深く 深く 潜ったままの
僕の声に この手を伸ばして
僕であろうとすることが
どうしてこんなに痛いの?
心が擦れては ひび割れてく
そんな胸の奥底から
生まれてく言葉たちが
何度だって 這い出して叫ぶ僕のために
♪
辛いって 苦しいって こみ上げるのに
言えないから 癒えないまま 引き摺っている
逃げたいとか 泣きたいとか そんな感情に
言葉が追いつくのは
いつもよろよろと彷徨ったあとで
心の中で叫んだって反響するだけ
だけど叫べないことは もっと苦しくて
だから誰にも届かなくても声にするよ
たった一人自分には 聴こえるように
僕であろうとするために
この痛みがあるのなら
見失わないように 抱きしめている
誰かが望む理想には
僕は変われない だから
何度だって 這い出した 声抱えて 生きる
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