誰もいなくなった雨の夜にマンホールの上で派手に転ぶ
レイニング 旧2月の水溜まりの中
コールタールが虹色に光ってる
散々な豪雨に 五感が駄目になって
闇が眩しい夜、静寂が喧しい夜
『みすぼらしい男でごめんよ』
そんな事ないよって返答を前提にして、ずるい懺悔を吐き出している
誰もいなくなった雨の夜にマンホールの上で派手に転ぶ
誰もいないのを確認して、誰もいないのに舌を出している
レイニング 旧2月の水溜まりの中
虹色に光るコールタール
無人交番の明かりみたいに 最後にひとつだけ、
ぽつねんと点灯している詩が、眼の裏を燈している
捨て鉢でそいつを唄えば張り詰めた冬に風穴が開く
そこから春がこぼれちまいそうで 澄ました孤独さえも白けていく
泣きたい程、ズクズクな時に『我、関せず、ぐう』と胃袋が鳴り
揚げ句、誰もいなくなった雨の夜に
マンホールの上で派手に転ぶ
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