言の葉を両手で包んで
願いごと涙に溶かして
咽(むせ)ぶ記憶の
湖畔のハナミズキには
漂う 想いがそっと黄昏る
定め知りて花びらを落とす仕草を
真似する水鏡(みたかみ)
言葉借りて欠片を残す言い草は
ただただ朧気(おぼろげ)
後悔 その憂いも
遠くない 未来でいっそ
ゆらり きらり ひらり
花は諸行無常に毒されて
戯れ言も大切そうに
割れないようにそっと抱きしめ
惑う言葉をかき分け
散る花びらに
恋をするように今
千の言葉花びらと並べてみても
見劣(みおと)りするようで
花の言葉憂いと重ねてみたら
映し出された
後悔 この報いは
遠くない 未来でいっそ
ゆらり きらり ひらり はらり
諸行無常を飼い慣らし
爪を立てる
滲む夕暮れでも
僕らにとって導(しるべ)になる
此処に在ることだけ
変わらぬように
この場所で息衝(いきづ)いている
悠久から永遠(とわ)を嘆いた
花言葉借りて
記す 人を思うこと
祈りが途絶えても
言の葉を両手で包んで
願いごと涙に溶けた
咽(むせ)ぶ記憶の
湖畔のハナミズキには
彷徨う僕の黄昏
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