遠い目をした街灯が
今更責めたててくる
夜行バスはあと五分
ざわついた灯りが揺れている
嫌気がさした母に連れられ
二人で浴びた朝日は
今も 覚えている
♪
角を曲がれば雨が降っていて
通りに出れば人が鳴いていて
野良猫が泣いて爪を噛んでいる
放浪少女が抱きかかえている
そんな情景も風化していく
過疎化した夕焼けが
過ぎ去って夜の街になり
夜に溺れたがる僕たちは
廃ビルの屋上で黄昏れる
遠慮気味の太陽が
何もかも綺麗に焼き払う
そんな街に僕はいた
この街で生きていた
♪
五分も歩けば田舎になって
蛙がいつも待っている
その先の僕の家は今では
ここからはもう見えない
ハエがまとわりついて
駄菓子屋はいつか潰れて
昔通りに生きていけると
思っていたら大違いだ
ラブホ街を抜けた先で
姉の迎えをまっている
そんな街に僕はいた
この街で生きていた
この街に僕はいた
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