全てを喰らったというのに僕の腹は飢えている
その隙に一人前を行くあなたは空を泳いでいる
上を見上げるたびあなたを思い出してしまうから
ひどい猫背を誤魔化すようそのまま地面に俯せた
妬みを 愛を 憎しみを 言葉を飲み込んで
膨らんだ体に意味を見出したいから
海になってしまったのさ
日差しが刺して揺れる透ける海辺は僕の肌だ
わかってるんだろう? なあ
悲しさばかりではないのさ
砂を食らって僕は目を瞑る
夢や希望はこれなんだ
やりたいことはこれなんだ
だからあなたを待っている
貪欲な顔で待っている
♪
全てを喰らったというのに僕の心は弱っている
こんなにも体は大きく膨れ上がったというのに
反抗期なのさ僕らは 優先するのは心だ
景色に値段があるのは子供だから気づかぬふり
侘しさも優しさも味がした
ひたすら手を伸ばしてまた飢えた
全てが美しく思えるまま
大人になるのは難しかった
そして僕は過去も喰らった
何もかも全部飲み干したなら
大人になれると思ったのに
生き急ぎ膨れた僕は
海になってしまったのさ
日差しも届かない暗く揺れる深海は僕の心
居心地がいんだよな
寂しさばかりではないから
泥に浸って僕は目を瞑る
♪
そうか 海になって思い出した
雨が好きなのはあなたが泣き虫だから
歌が好きなのはあなたも歌が好きだったから
あなたの心を知りたいと思う自分が恥ずかしくて
♪
海になってしまったのさ
僕に反射して空を泳ぐあなたが泣いてる理由が
今でもわからないよ
僕の体に響くあなたが今でも愛しいよ
あの頃に今も戻りたいよ
いっそ笑ってくれ
後悔が沈んで消えて 強くなってしまうことが
今でも怖いんだ
分かり合える日がきっと来る
泳ぎつかれたならば僕に沈んで
ウグイスが鳴いても
さよならなんかしてやるかよ
海になってあなたを待っている
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