綻びと咽びの
キメラを撫でてみたら
幸いと災いの
キメラを撫でてみたら
楽になれる気がした
いまにも溶けてしまいそうな車窓に貼りつく青い日差し
数多の命を枯らしても私を明日へと駆り立てた
車輪の調べがまどろみ運ぶ
目蓋が落ちても影は残された
感動と感傷を混ぜ合わせ
適当に受け止められる何かにできたなら
家路のみすぼらしさに嫌気がさすこともなければ
眩さに目を潰すこともない
二つの世界があると割り切ってみて
光と闇を神様みたく
許されるの
そちらに行けば
血統書付きの神話も
交配を重ねた哲学も
不都合を切り捨てるか切り揃えるかの違い
好きなものと嫌いなもの
そのまま一緒に抱えていてはいけないの
この街はまだ灯りを欲さない
朝と同じ青空を窓が映す
鍵を差そう
目は腫らさずに
昨日とこれまでと同じ
帰り方なんて できないけど
綻びと咽びのキメラを撫でたら
幸いと災いの
ぬるいタオルケットに包まれて
もう一度 あの旋律を聴きながら
今は帰れない誰かを想う事くらい
構わないでしょう
短い夜がそうさせる
綻びと咽びの
キメラを撫でてみたら
少し楽になる気がした
幸いと災いの
キメラを撫でてみたら
少し楽になる気がした
綻びと咽びの
キメラを撫でてみたら
少し楽になる気がした
幸いと災いの
キメラを撫でてみたら
少し楽になる気がした
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