どうぞ 話して
「それは遠い昔のこと
僕は幼く 体も小さく
一人きりの日々で
いつしか 隣に
似た風の人がいたんです
とても幼く 体も小さく
一人きりの少女
僕らは毎日 話をしたんだ
声も名前も 思い出せないけど
雲が流れたとか 花が咲いたとか
それだけで良かったんだ」
それは恋よ グレゴリオ
暗い夜の淵でも
一人手探りのまま ゆけるようにと
誰かがそう 残した
淡く燃える光よ
忘れないで
♪
「傘を濡らして
二人で歩いたんだ
跳ね立つしぶきも 雨蛙の声も
鮮やかに覚えているのに」
いいえ
思いたせないこともあるでしょう?
誰もすべてを 心の隅っこに
おいておける訳じゃないのよ
♪
「悲しいことは思い出せないこと
それも忘れてしまうこと」
泣かないでグレコリオ
盲いたその目では
正しさは曇って
見えないとしても
私が教えてあげる
その話の続きを
さあ!
「これが、恋」とグレゴリオ
暗い夜の淵では
一人手探りのまま
歩けないのだと
杖になり寄り添ったまま
折れてしまうその日を
怖がりながら
♪
これは恋よ グレゴリオ
暗い夜の淵では
貴方無しではもう
歩けやしないよ
微笑んでグレゴリオ
雲が流れたんだよ
ねえ
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