持て余す亜世界で
貴方どうやったって肯定されて
寓話より不可思議
人知れず 乖離していく夢想
通せん坊をしないで
未来が其処で 僕を呼んでいるのに
憧憬を画くも
黒い灰と称し 淘汰された
♪
丑三つ 三日月
暗がりの中 ただ六等星が揺れていた
ランタンとナイフが
有れば 十二分だと想えた
踏み込んだ樹海で
梟の瞳 見透かす勇気
臆病とはつまり
生存本能の誤差だろう
夢に見た世界の涯て
その雲の上に 海の底に せがんだ掌を
三半規管の蝸牛たち 泳いで
蒼から碧へ綱渡り 導いていく
透明を愛してしまった
透明を愛してしまった
誰も彼も信じ得ない 絵空事を信じて
賽はもう投げられて 最初には戻れない
焦がれた夢の全部が 正夢だと願って進んでいく
♪
幾星霜を越えて
真理は何度も 輪郭を変えた
預言者の再来
語るは 悲劇のトリロジー
狂言も真も
清濁を合わせて飲み干し 酩酊
墓荒らしの法廷
いつかきっと 覆るのだろう
窒息するほど 見惚れる青
肺出る 無数の泡沫
深く深く 沈むほど 鼓膜に詰まる声は
紛れもない 疑いの余地もない
夢に群がる回遊魚
悪怯れず 問い質す
「お前の非だろう」
あぁ
♪
「どうだっけなぁ」
透明を愛してしまった
透明を愛してしまった
誰も彼も信じ得ない 絵空事を信じて
童謡に満たせなかった 童心に巣食ってしまった
夢が喰べた季節の 対価を誰が支払うんだ
遠い日の少年 白銀の鱗へ
映る、黯い、深い、甘い、永い、影を見ている
遠い日の記憶 自らへと重ねて
気付く、黯い、深い、甘い、永い、命の忘却
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