蝉が鳴き止んだ 僕ら駆け出した
天気予報は また今日も外れた
水溜り踏んだ 君のローファー
弾けた飛沫さえ 綺麗だなって思った
ずぶ濡れのシャツ 張り付いて
乾かない まるで君への想い
蝉が鳴き出した 僕ら歩き出した
雨宿りを 永遠にしていたかった
水溜り避けた 僕のスニーカー
どうせ濡れてるのに どうしてなんだろう
君と二人待つ バス停で
ほろ苦い 青い夏草の匂い
今日も 言い出せなかったと
赤く落ちた空へ 小さな声で鳴く
耳たぶが火照る いつしか風は吹き止んで
土の中みたいな 寝苦しい夜が来る
君が好きだって 誰よりも好きだって
声が枯れたって 何度だって叫んでいたい
窓辺に立って 口にしてみたって
夏の夜の 雨の音に 掻き消されていく
蝉が抜け出した 殻を見つめていた
汗を拭って 立ち止まる君が
カバンから出した 同じレモンティー
そんな偶然さえ 運命だと思った
細いストロー 噛み締めた
横顔は 甘酸っぱくて苦い
今日こそ 言いださなければと
長く伸びた影に 僕は手を伸ばす
指先が触れる 気づけば二人向き合って
羽化したみたいな 心で僕は告げる
君が好きだって 誰よりも好きだって
声が枯れたって 何度だって ここで叫ぶから
君が好きだって 本当に好きだって
夏の夜の 雨の音に 掻き消される前に 答えを聴かせて
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