さぁ 何れが欲しい何が視たい
好きなものを選べよ
食卓に並ぶ彩りの花
然し何故だろう如何してだろう
偽物の筈なのに造花が何より美しい
また 傘をはぜらす雨が降れば
雨粒一つで術を失う硝子の眼玉
暮れ泥む陽がこころのようで
歩み出せずに居た
澱む眦の涙がいま永い睫毛を辿ってゆく
瞳に覗くかなしみを絶やすように溶けてゆく
自らが望み乞うもの程此処には無いと解っている
それでもかなしいのさ
♪
さぁ 誰の為に誰の所為に
好きなものを選べよ
天秤に賭かる濡衣の責
然し何故だろう如何してだろう
見事な手筈なのに自らが酷く傷ましい
また 湿度を帯びた夜が降れば
まじない一つで幻を成す暗渠の鼠
風化する思惟が灰に至る迄
叙述の罠の中
澱む眦の涙がいま永い睫毛を辿ってゆく
瞳に覗くかなしみを絶やすように溶けてゆく
自らが望み乞うもの程此処には無いと解っている
それでもかなしい
さぁ 何れが欲しい何が視たい
答が何処にも無い!
束の間涙は蝋を溶かすのに
嗚呼時間が無い賞束無い
幾許も無く液状と化すだろう
是等総て
それが余りにもかなしいのさ
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