(眠りその時 蘇るよ)
雷鳴に開く眼 泥濘ぬかるんだ土、掴む手
長い爪が抉えぐり 再び肺を満たす命
なにひとつ、残せはしない「思い出、愛に名声」
なにひとつ、持ち出せない 「死はすべてを奪う」
ただひとつ、確かなもの 「さあ、私とおいで」
私を突き動かす衝動 「貴女は愛おしい傀儡かいらい」
あの日、いつかの日に、私は死に。そして今蘇る
自ら目指す当てもなく、詩も忘れて
何度でも死ぬために
♪
(あぁ、可愛いものこの傀儡) (私のためにキスをして何度でも死ぬがいい)
(ずっと私だけのモノにしてあげる)
(バラバラに壊れても 無残に引きちぎられても) (彼も臓物も全ては私の物)
(私は認めない) (誰にも渡さない)
「何も感じなくていいの 捥もがれた華 私のそばにおいでなさい」
「何も思い出さなくていいのよ 貴女ってば、腐って尚更美しいわね」
紅葉振る秋空見上げては
誰か、誰かに呼ばれているような気がして
きっとここに眠る私のために、ひとり泣いてくれた
優しい人の声なんだろう
あの日、いつかの日に、私は死に。そして今蘇る
自ら目指す当てもなく、詩も忘れて
何度でも死ぬために
死に見初められた傀儡の詩 逃れられない鳥篭
夢見て、その眠り浅く 転寝うたたねのよう
引き伸ばされる魂
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