雲間から射しこむ火を
黒く光る石に映し
背負った罪の深さを噛みしめて
白き地に浮かべたのは幾千の武士(もののふ)の影
我が筆に込めた憂いが色を持ち胎動を打つ
くちをしと嘆きむせ
己の未熟さを怨み
紡がれたコトノハに
いかなる罪があろうとも
けしきは恋模様
いたづらに距離を近づけては
涙を流す
割いて裂いて今華となれはかなき想いならば
諸行無常この世の理に遊ばれ
鳴いて啼いて今華となれ報われぬ夢ならば
紡ぐ糸に託せし恋は
今大輪を纏い舞い上がった
天翔せしむ龍がごとく
七色に光り咲き誇れ
繰り返すまばゆき夜明け
巡る光は矢のごとく
無為に過ごした刻の重さに気付く
灼ける喉動かぬ筆むすびあげた永久の雫
ありふれたそらごとだと我が手から落ちる陽炎
溜め息の雨に濡れ
雅の意味を尋ねよう
いにしえのコトノハに
いかなる罪をきせようと
うつすは恋模様
かなしき運命(さだめ)をつきつけては
涙を流す
割いて裂いて今華となれはかなき想いならば
見果てぬ夢楼閣に浮かべた黄昏
鳴いて啼いて今華となれ報われぬ夢ならば
紡ぐ琵琶に託せし恋は
今馬蹄の音とともに奏であう
たけき灼熱の地を裂いて
輝きの契交わすまで
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