あのころふたりの アパートは
裸電球 まぶしくて
貨物列車が 通ると揺れた
ふたりに似合いの 部屋でした
覚えてますか 寒い夜
赤ちょうちんに 誘われて
おでんを沢山 買いました
月に一度の ぜいたくだけど
お酒もちょっぴり 飲んだわね
雨がつづくと 仕事もせずに
キャベツばかりを かじってた
そんな生活が おかしくて
あなたの横顔 見つめてた
あなたと別れた 雨の夜
公衆電話の 箱の中
ひざをかかえて 泣きました
生きてることは ただそれだけで
哀しいことだと 知りました
今でも時々 雨の夜
赤ちょうちんも 濡れている
屋台にあなたが いるような気がします
背中丸めて サンダルはいて
ひとりで いるような気がします
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